ガスクロマトグラフィー質量分析法(ガスマス法)

ガスクロマトグラフィー質量分析(Gas Chromatography-Mass Spectrometry, GC/MS)は、高感度、精密で微量成分の定性、定量に用いる分析機器の一種です。混在しているさまざまな物質を別々に分ける能力が優れている分離分析機器で、質量分析計は、分離されたそれぞれの物質を構造解析により鑑定する器械です。

ガスクロマトグラフィーと質量分析計の組合せた機器がガスマスです。

尿や血液などに含まれるいろいろな成分をまずガスクロマトグラフィーで別々に分離し、分けられた個々の成分をすぐに質量分析計でその構造を解析して、同定し、尿や血液の成分の一斉分析ができます。しかも、非常に微量の検体、非常に高精度の結果が得られます。勿論機器の操作や解析はコンピュータで処理されていますので、間違うことはありません。

これまで、環境化学分析や、法医学の分野に広く用いられていて、東京のサリン事件や、和歌山毒物カレー事件の時の毒物判定に、大きく役立てられました。最近環境分析のダイオキシン類分析には更なる活躍の中心となっています。



手軽な検査

病院でおこなわれている生化学検査は大部分血液を用いた検査です。しかし、血液のなかに含まれているいろいろな物質は、ある濃度以上になると生命に危険な状態あるいは好ましくない状態になりますので、健常な生体は生理学的にいろいろな仕組みによって血液外、つまり最終的に尿中に排泄します。したがって、尿中には血液より多くの物質が、しかも多量に含まれています。


ガスマスプロフィル
図1 血清と尿中代謝産物のガスマスプロフィル
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図は血液(上)と尿中(下)の糖と糖アルコールのRICクロマトグラムです。
ご覧のように、尿中には、沢山の成分が検出されます。糖尿病に関連に糖、糖アルコールは殆んど尿中で検出されます。逆に、血液では検出される成分は少なく、糖アルコールが殆んど出ていません。

またグルコース以外は量的にも少ないので、ガスマス検査では尿を用います。尿の検査には血液検査に比べ幾つかの優れた点があります。
先ず採血しませんので、自宅で、ご自分で簡単に検査の検体を作ることができます。検査後は、郵便ポストに投函していただくだけで完了です。
また採血しませんので、感染などの危険性は全くありません。
さらにご自分で検体を送り、結果は当社から直接報告致しますので、完全にプライバシーが守られます。                                 
自宅検査ができますので病院で受診するため1日または2日間仕事を休む必要がありません。
とくに中堅幹部職以上の方には大きなメリットです。
最後に、何よりも大変気軽に検査をうけられることが大きな特徴と云えるでしょう。


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