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先天性代謝異常症とは

先天性代謝異常症とは

先天性代謝異常症は、遺伝子の変異によって生まれつき代謝に必要な酵素欠損または不足が原因で起きる病気の総称です。
生命維持するために摂取した糖質、タンパク質、脂質などはそれぞれ特異の酵素で分解して利用されますが、遺伝子の変異によって特定の酵素が欠損し、糖代謝やアミノ酸代謝、脂質代謝、核酸代謝などがうまく機能しない状態が、嘔吐、下痢、けいれん、発達遅れ、知能障害などの症状として現れることを先天性代謝異常症といいます。現在報告されている限りでも1000種以上あります。

生まれて間もない発症例や、新生児、乳幼児の発症は多いですが、大人になってからの遅発例も少なくありません。一部の病気は新生児マススクリーニングにて発見できますが、多くの病気はスクリーニング対象外のため、症状が現れてから診断されます。
初期症状から先天性代謝異常症の検査を受けることで、早期診断・早期治療に繋がります。

尿による新生児・乳幼児の遺伝病検査

新生児スクリーニング検査イメージ

現在、血液を用いる先天性代謝異常症の新生児スクリーニングがおこなわれていますが、わずか17種類だけです。
尿を用いる先天性代謝異常症の検査により、多数の先天性代謝異常症の有無がわかるようになり、現在おこなわれている血液検査と合わせて検査することで、新生児スクリーニングの有益性が大幅に向上します。
赤ちゃんに苦痛を与えない尿の検査ですので、是非おすすめ致します。

また、新生児期で検査を受けなかった小児や、小児科に受診している難病の患者の先天性代謝異常症の鑑別診断にも是非ご利用ください。

ガスクロマトグラフィー質量分析法(ガスマス法)とメタボローム解析

ガスクロマトグラフィー質量分析(Gas Chromatography-Mass Spectrometry, GC/MS)は、高感度、精密で微量成分の定性、定量に用いる分析機器の一種です。混在しているさまざまな物質を別々に分ける能力が優れている分離分析機器で、質量分析計は、分離されたそれぞれの物質を構造解析により鑑定する器械です。通称ガスマスです。

ヒトの尿や血液あるいは脳髄液などに含まれる成分をガスマスで一斉分析ができます。体内成分の網羅的分析による栄養摂取(Intake)と代謝や健康動態(activation)評価に使用され、メタボローム解析(Metabolomics)とも言います。
ガスマス法によるメタボローム解析は、先天性代謝異常症の検査に用いられるほか、薬物代謝評価、がんや認知症バイオマーカー(Biomarker)探索、法中毒学研究にも広く応用されています。
日本医用マススペクトル学会は、この分野の研究・分析技術者に対し、医用質量分析認定士の認定制度を設けています。
ミルスインターナショナルラボ技術者全員が医用質量分析認定士資格を取得しています。

医師の診断に役立つ最新代謝解析検査ツールです

下記のような症状・病態の確認に是非ご利用ください。

  • 難病の病因究明に
  • 発達遅延時の原因を
  • 長年原因不明の知的障害
  • 難治てんかんに苦しんでいる患者
  • 学力低下の原因を
  • 頑固の皮膚炎の代謝要因
  • 偏食の原因
  • 繰返し嘔吐・下痢症状呈する原因究明
  • 栄養バランス失調の病態解明
  • 食事由来体調不良の原因究明
  • 遺伝子検査で臨床意義不明な変異の解明に
  • 新生児スクリーニング検査で異常値出た場合
  • 先天性代謝疾患の同胞、家族例を持つ新生児の確認